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20年ぶりのグインサーガ「アムネリアの罠」 [20年ぶりのグインサーガ]

グインがクリスタル公の婚礼に来なかった、イシュトヴァーンが出兵した原因となった、シルヴィア誘拐が語られている。
アルド・ナリス、イシュトヴァーンとマリウスの物語と同時進行している、グインの物語だ。

半年前に戦争していた、しかも負かした相手国である、ユラニアの宰相の紹介状を持った人間を、宮廷の舞踏教師の類に雇いいれるなんて、ちょっと今の常識からすると考え難いとおもうけれど、この世界ではよくあることなんだろうと、納得するしかない。

ところで、グインとシルヴィアは見ていてちょっとほほえましい。
オクタヴィアとマリウスを見ていてもそうだったけれど、アキレウスの娘はきっと健やかなのだろう。
リンダやアムネリスとくらべても、ずっと好ましいと思う。
それはきっと、ケイロニアという国が健全だからなのだ。
古い歴史に病的な頽廃を感じるパロ、野望がぎらつくモンゴールと比して、はるかに人間くさい国だ。

だがしかし、シルヴィアはたった一回のことで健やかさを失ってしまうのだろうか?
外伝「七人の魔道師」に出てきたシルヴィアはもはやグインを観ていなかったような気がする。

いずれにせよ、イシュトヴァーンとマリウスがグインと絡んでくる物語の状況が示された。
グインとマリウスは、きっとユラニア-ケイロニアの国境か戦場で出会うことだろう。イシュトヴァーンはどうだろうか。グインと会うことがあるのだろうか。
それよりなにより、グインはアリストートスのことをどう観るのだろうか。イシュトヴァーンからアリストートスを引き剥がすことができれば、マリウスの頼りにも応えることができて、イシュトヴァーンも暗黒面から引き戻すことができるように思う。

アムネリアの罠―グイン・サーガ(40) ハヤカワ文庫JA


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